Oの部屋(千里高原鉄道建設記)

運転席からの現状イメージ

[SLの魅力] 小学生時代にホームの前で見たSLの周囲から白い蒸気を噴き出す熱気に圧倒され、これ一筋になりました。駅から遠く離れた親の実家の寝床の中で微かに聞こえてくる哀愁の汽笛も忘れられませんね。SLの魅力は単に熱気だけでなく、蒸気や煙の周囲とのかかわりで車体サイズの何十倍、何百倍にも大きく見え、黒と白のコントラスト、更にこれ以上無い様な驚愕の大きな音を出すことです。D52保存機が時たま出す、圧縮空気の汽笛でも泣き出す幼児がいます。これら三点が連携して他にない世界を展開していると考えています。

[嗜好性] 電車の様な華やかに見える世界より、ごつごつした鉄の感触が感じられる世界。機関車が発車する時の連結器が連鎖する衝突音。機関車と無動力車の組合せがよく、現在の日本の車両に興味は湧かない。どちらかと言うとヨーロッパの昔ながらの客車や貨車が機関車に牽かれて終着駅などを出入りする雰囲気の世界が気に入っている。

車両

40年前からの在庫はSL10両、PC30両が残っています。罪庫ですね。車両は基本的にレイアウトの上で違和感の無い物しか想定していません。

14年の成果
15年の成果
16年の成果

レイアウト

 小学生の時代から、訳の分からない線路配置図ばかり描いてきました。そのお陰かどうかは分かりませんが、今回の線路配置は自分なりに変化に富んだ、飽きの来ない集大成となる配線と自負してます。自宅の設計段階から設置を前提にした部屋割りを行ないました。幅が家の長手方向両端にあたるため、残念ながら全てを固定式にはできず、固定は東(図の右)側の2/3で、残りは西(図の左)側にブロックを複数連結する構成です。サイズは東西約10m×南北約2.5mと言うところでしょうか。嗜好的には走らせるより、動かなくても景色の中に配置するだけで満足しています。

[路線設定] 昭和30年台前半の地方幹線の県境の峠近くの駅に設定している。峠を控えた本線の補機の離合をするためにできた駅で、さらに昔出来た、木材を運び出すためにひかれた私鉄軽便路線に隣接して配置された。その後、途中の温泉が出た中腹までを国鉄が買取り、3.5ftに拡幅した事で、支線との乗換え機能を持つ千里駅となった。そのため、地元住民は少なく、乗換えを主体にした乗降駅である。本鉄道名(千里高原鉄道)も支線側の旧名のなごりと言う処でしょうか。

時系列で表すと次の様になります。
  1. 千里山の杉の運び出しのために軽便鉄道がひかれた
  2. 国鉄が峠越えの補機機関車の離合のために信号所を設置
  3. 軽便鉄道路線と隣接していたため、材木の集荷場設置
  4. 千里山中腹で温泉出湯
  5. 国鉄が軽便鉄道の中腹までの路線を買収
  6. 買収した路線を3.5ftに改軌,本線からの直通列車運行
  7. 千里駅隣接の集荷場を高原駅に移設し、跡地を千里駅の整備

[運転形態] エンドレスをぐるぐる走らせるより、駅での列車交換、本/支線列車の乗換え、貨物の編成換えと機関車交換作業に重点を置いています。もちろん峠を控えているので、補機連結もあります。要はカマ(SLのこと)が主役で活躍していた頃のどこにでもあった世界を再現したいと言うことです。

[全体構成] 計画では3層構造で、内2層(1F,2Fと呼んでいる)を一次計画として線路敷設が完了しています。もう1層は8Fと呼び、高原の終着駅を予定しています。

 2Fにある駅は単線交換形の島式ホームが本線用と支線(高原線)の2組あります。本線側にはホーム線の外側に貨物線が上下各1本あり、支線側の貨物線は支線側にも分岐出来る構成です。運転席から見て左を上り側、右を下り側と呼んでいます。本線下り側は貨物線の外に留置線を設け、通勤客輸送の終わった客車を留め置きます。支線側にも折り返しホームを用意しています。この線の突き当たりの先は貨物駅を確保し、僅かな貨物の集荷ができます。北側は機関区があり、駅の上り側、下り側のいずれからの本線に出入出来る配線にしています。配置するSLの役割は勾配区間(通称ヤマ線)用交換、増結車両、折返し運転車両,貨物入換え、支線用の全機関車〔旅客、貨物、高原駅入換え用)、他に通過列車もあります。

2F線路配置図2F(地表面)
1F線路配置図1F(地下に相当),右の小円が1Fと2Fを結ぶ線路を示し、1F分は2Fの右半分の下に位置する。
[線路構成] 模式的に表すと本線の単線O(エンドレス線)と支線がやはり単線でP(リバース線)とQ(エンドレスにリバース線付き)で構成し、本線と支線が千里駅で横に並ぶという構成です。本線の単線エンドレス(全長約25m)があり、途中に支線にあたる単線の高原線との乗換え駅があります。高原線はこの駅が終端駅ではなく、双方に路線が続いていて、模式的には駅の両側にP型のリバース線があり、西側は2F上、東側は一旦下った1Fにエンドレスが有り、もう1本の2Fへの上り線はリバース線になっており、2Fの駅をはさんでポイントを切り替えることで、エンドレスのように走らせる事が出来ます。1Fと2Fの中間点には上への分岐点をトンネル内に用意して、二次計画の8F高原駅(仮称)へのループ線入口となります。全てのポイントは定位/反位を意識して、単線故の脱線ポイントも用意しました。
[見所] 運転席横に本線〔2F〕,高原線(1F)がそれぞれ40m級の渓谷を渡ります。本線は旧餘部形のコンクリート橋脚にガーター橋、高原線側は石積みアーチ橋です。1Fには地下の駐車施設(5線)が有ります。高原線の山頂近くの温泉駅へ向けた、勾配を登る姿を垣間見る景観を予定しています。これは計画線で7周ほどのループ線で約40m上昇する予定です。その終着駅の土地は確保済〔現在物置き場)です。旅客は古びた温泉客、登山客で、急行列車も入線します。貨物は木材運搬が主です。2Fの駅の上り側は本・支線の単線が約4m続いており、2列車の同時出発光景が見れるかもしれません。

[電気的仕様] 基本的にはDCC運転です。車両搭載だけでなく、機械的なポイント操作、腕木信号機操作、ターンテーブル操作だけでなく、リバース線の極性切り替え等も全て行います。そのため、一部車両搭載デコーダを除き、機器と搭載ソフトを含め自作しています(未完あり)。もちろん、電源投入時の突入電流を減らすため、路線はブロック分けして、時差付きの電気投入をします。 駅構内の運転席前にある貨物線は手動スイッチのより、DCCtest線になります。
 また、全ての線路の通電はレール接続用ジョイナーに頼らず、5A通電用の被覆線で結んでおり、電圧低下と接触不良から守っています。

デコーダーには下記のデコーダーは設計とハード製造は終わっており、ソフトは一部のみ完了していて、ほとんどはこれから開発します。
他に線路上の赤外線反射/遮断式通過センサー等があります。
注意)ACデコーダーとはアクセサリーデコーダーと呼びDCCデコーダーの一種で、主に地上設置機器用です。
アンカプラ機構客車端に取り付けたアンカプラー機構。車輪間に垂直に立てたモータからレバーの回転で釣り糸がカプラ下部の解放レバーを回転させる。ケーディカプラの下に出た解放バーを切断しても良い
 車載デコーダには追加機能搭載を予定しています。一つはケーディカプラーを動力解放するためのもので、マイクロモータを搭載してカプラーのナックルを回転して解放します。片側の操作だけでは不完全と報告もあるため、連結面両側車両にデカプラー装置を搭載工事中です。デコーダーは3.3V乃至5Vの最高電圧で、500mAまでの出力端子を用意しています。  また、動力デコーダーでは運転操作を実車に近づけるため、①アクセル、ブレーキ操作の遅延作動②加速・減速操作の変速段数③走行速度に対応した加減速応答を現仕様の中で実現を目指しています。 1chアンカプラー動力付き車載ファンクションデコーダー
4ch motor駆動ポイント用ACデコーダー
アクセサリーデコーダー。上は4chモータドライブ型ポイントマシン用ドライバー。

下はリバース線用のACデコーダー。
 2chの車両位置センサーからの信号でリバース線の極性を反転させ、且つ入口のモータドライブ型ポイントマシンを自動反転します。もちろんDCCコマンドでのポイント操作も可能です。右下に見える白い箱はDCC極性反転用のリレー。レバーの当たりで動きを調整する。
モーター駆動型ポイントマシン(右上は床板平面取付け形、右下は垂直取付け形)
 マブチRE-280モーター(3v駆動)に、モーター軸用に穴明けした5mmφのボルトに差込み、ナットにU字フックを取付け、その中に0.8mmφのステンレスバネ線を通して、ポイントに可動部を下から駆動する。(上写真の中央右端がポイント操作穴)黒い箱はマイクロスイッチで左右2個はモータ停止用で、残り1個はポイントの中央部の接触不良防止用